原発事故後に降った黄色い粉は「劣化ウラン」だったというデマ

2018年2月13日

2011年3月24日、首都圏で、建物の屋上などに付着した黄色い粉が放射性物質ではないか、との問い合わせが保健所や消防に相次ぎました。調査の結果、スギ花粉であることが判明しましたが、2014年になってじつは「劣化ウラン」「酸化ウラン」だったとするツイートが拡散されました。

これは事実無根のデマです。

画像の出所

【悲報】原発事故後、関東に降り注いだ黄色い粉は「劣化ウラン」か? 茨城県内でウラン検出
https://matome.naver.jp/odai/2140784266635635001

経過

・屋上に黄色い粉、まさか…問い合わせ続々 正体は花粉(「朝日新聞」2011年3月24日)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103240244.html

・【悲報】原発事故後、関東に降り注いだ黄色い粉は「劣化ウラン」か? 茨城県内でウラン検出 – NAVER まとめ
https://matome.naver.jp/odai/2140784266635635001

・原発事故後に降った黄色い粉は「劣化ウラン」
https://togetter.com/li/690619

付記

黄色いスギ花粉がウランなどの放射性物質である、あるいはスギ花粉により放射性物質が広がる、といったデマは何度も Twitter などで拡散されています。

・スギ花粉の放射能・・・スギを伐採することが唯一の解決(「武田邦彦 (中部大学)」2011.12.1)
http://takedanet.com/archives/1013802128.html

・今年の花粉はセシウム花粉。吸ったらどうなる!?
https://togetter.com/li/252436

・【不自然な黄色…!】『黄色い粉』が飛散!勿論『あの人達』も大騒ぎ。【それは自然現象です】
https://togetter.com/li/745217

情報の検証

・放射性セシウムをはじめ、飛散した放射性物質は微量の飛散量であっても、きちんと放射線量を計測することができます。仮に黄色い粉が酸化したウランであれば、「目に見えるほど大量の放射性物質が飛来した」こととなり、計測される放射線量が桁違いに急上昇します。しかし実際にはそのような事実はありません。放射線量が上昇していない以上、被曝を心配する必要も当然ありません。

参考リンク

大気中の放射線量/1日単位の測定結果(新宿)
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/mp_shinjuku_air_data_1day.html

・原発事故で飛散した放射性物質はおもに放射性セシウムと放射性ヨウ素です(なお、放射性ヨウ素は半減期8日で、この時期すでにほぼ考慮する必要なし)。2011年11月の時点でのスギの雄花に含まれる放射性セシウムの濃度は、もっとも高い森林で25万ベクレル/kgでした。このスギ花粉が大気中に飛散し吸引した場合の内部被曝の値は、1時間あたり0.192ナノシーベルト(0.000192マイクロシーベルト)であり、誤差といえるほどに低い値です。

参考リンク

スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/120208.html

本記事に関する基礎知識はこちら

  • 空気中や地面などに含まれる放射性物質による放射線を受けることを「外部被曝」といいます。この外部被曝の量を知るために、一人ひとりが身につける「個人線量計」があります。  また、ある空間における放射線の強さを「空間線量」とい…

    2017年12月22日