「福島第一原発1号機 建屋カバー撤去で65倍の放射能が降っている!」というデマ記事

2017年12月13日

2017年3月21日に発売された週刊誌「女性自身」(44日号)に、「福島第一原発1号機  建屋カバー撤去で65倍の放射能が降っている!」と題した記事が掲載されました。執筆者は和田秀子氏(ママレボ)です。

これは事実に反した記述を含んだ上、不必要な不安を煽るデマ記事です。

画像の出所

「女性自身」のツイッター上にアップされた画像より。

経過

・天文学者の大石雅寿氏が本件について「女性自身」編集部に電話したところ、「自然放射線には耐性があるが人工放射線にはない」(※これはデマです。放射線は、自然放射線でも人工放射線でもリスクに差はありません)と、記事を訂正するつもりはないとの回答であったとツイート。

・本件についてtogetterまとめが作成されました。
#女性自身 「放射能汚染が急増中」の記事でまた炎上
https://togetter.com/li/1094090

・データによるデマ検証のまとめも作成されました。
#女性自身 炎上記事「放射能汚染が急増中」の内容がデータをもとにチェックされる様子
https://togetter.com/li/1094120

情報の検証

・「女性自身」記事中の、原子力規制委員会に問い合わせたところ「いま数値が上がっていることと、建屋カバー撤去との関係は否定できません。」との回答があった、との記述に対して、原子力規制員会は2017年3月24日、「平成29年3月21日女性自身の記事について」とのタイトルにて、「平成289月から平成29年1月までの敷地内及び敷地境界のダストモニタのデータ及び敷地境界のモニタリングポストのデータに異常な数値は確認されていません」「したがって、降下物の数値の変動と建屋カバー撤去工事及びその後の作業との関係はないと考えております」との見解を公表しました。(http://www.nsr.go.jp/news_only/20170324_01.html

・福島県原子力センターは、平成 24 年度から平成 26 年度の3年間の放射能濃度および風力との関係を調査しています。調査結果から、「放射能濃度の年間変動は風速と降雨の影響により起こり、風の強い、特に乾燥する冬期間において、砂塵等の重い塵が水盤に入ることにより放射能濃度が高くなることが示唆された」としており、冬季に降下物測定値が高くなることは決して異常ではありません。(https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/130015.pdf

・「女性自身」が取り上げた数値自体、健康に影響を与える量ではありません。「65倍」という数値だけを取り出して強調する仕方は、不安を煽るための典型的な手法です。

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