甲状腺検査の判定A2は問題なのか?

2017年11月11日

福島での甲状腺検査での判定基準、「A1」以外は心配しなければいけないのでしょうか?

福島での甲状腺検査の結果はABC判定に分類されます。このうち二次検査(針を刺して細胞を採取する検査)が不要とされるA判定がさらに2分類されており、A1は「嚢胞(のうほう)や結節が認められないもの」、A2は「5.0mm以下の結節や20.0mm以下の嚢胞を認めたもの」のことです。

A1」や「A2」の判定をされたとき、「次回の検査まで何もしなくていい」と言われることがあります。これは「定期的に子ども全員を対象とする集団検診を続けている」という福島県ならではの状況で、「心配があるので必ず検査を受けなければいけない」という意味ではありません。従来であれば「とくに何もしなくていい」という意味です。

嚢胞とは、一般的によく見られる、液体が溜まった袋状のものです。中に細胞がないためがん化することはありません。成長期の子どもでは、この嚢胞が出たり消えたりします。つまり、嚢胞の大きさや有無で判定すると、成長につれて判定が変わることが自然に起こります。

中に一部細胞を含む嚢胞については、福島では通常よりも厳しい基準を採用して、嚢胞ではなく「結節」として扱います。大きな結節は液体とは異なり、決してがんにならないとは言い切れないため、「B」と判定して二次検査を行います。

しかし、大きさの判定基準は、含まれる細胞の大きさではなく、液体を含んだ嚢胞そのもの大きさなので、B(5.1mm以上の結節や20.1mm以上の嚢胞)の判定が出ても実際には問題がない場合が多くあります。

なお、5.0mm以下の結節については大きくなる速度が極めて遅く、数年単位ではほぼ大きさが変わらないため、二次検査をせずに次回の甲状腺検査を待つのが普通です。

また、2012年に青森県弘前市、山梨県甲府市、長崎県長崎市において、男女合わせて4365名を対象に、福島県内で使用されているものと同様の機器を使って、同様の手法で甲状腺検査を行いました。

その結果、「A2」や「B」など、「A1」以外の判定が出た割合は福島県内と変わりませんでした。このことから、嚢胞は福島第一原発事故による放射線被曝とは無関係に多く見つかることが証明されています。